登山を始めたいと思っても、最初は何から準備すればいいか分かりにくいものです。
登山靴やザックなどの装備をそろえるべきなのか。
YAMAPなどの登山アプリは必要なのか。
保険やココヘリには入った方がいいのか。
山のルールやマナーは、どこまで知っておけばいいのか。
初めての登山では、不安に感じることが多いと思います。
このページでは、登山 脱初心者ロードマップのStep0として、初登山前に準備しておきたいことを整理します。

ここで紹介する内容は、初めて山に登る前だけでなく、Step1以降の登山に進む前のチェックにも使えます。
まずは登山アプリ、装備、保険・ココヘリ、山のルール・マナー、最低限の体力づくりを確認して、安心して最初の登山に進める状態を目指しましょう。
このページでわかること
- 初登山前に準備しておきたいこと
- YAMAPなどの登山アプリで確認できること
- 優先して準備したい登山装備
- 保険やココヘリが必要な人・必要でない人
- 登山前に知っておきたい山のルール・マナー
- 初登山に向けた最低限の体力づくり
登山 脱初心者のロードマップ全体像は以下の資料で説明しています。
登山 脱初心者ステップ0の目的
登山は、思い立ったその日に何も準備せず行くにはリスクがあります。
街歩きとは違い、山では天気が変わりやすく、道に迷う可能性もあります。
疲れて下山しても、すぐに電車やタクシーで帰れるとは限りません。
だからこそ、初めて山に登る前に、最低限の準備と知識を整理しておくことが大切です。
一方で、登山初心者のうちは情報が多すぎて、何をどこまで調べればいいのか分かりにくいものです。
装備、登山アプリ、ルート、天気、保険、山のマナー、体力づくりなど、調べ始めるときりがありません。
全体像がないまま情報収集を続けると、いつまでも「まだ準備不足かも」と感じて、最初の一歩を踏み出しにくくなってしまいます。
Step0では、初登山前に用意しておきたいもの、知っておきたい情報を整理します。
ただし、最初からすべてを完璧にそろえる必要はありません。
まずは安全に登山を始めるための最低限を押さえ、Step1以降の登山を経験しながら、足りなかったものや不安に感じたことを少しずつ見直していきましょう。
登山アプリと地図の準備
初めて登山をするなら、登山アプリは事前に準備しておきたいものの一つです。
登山アプリを使うと、登る予定のルートやコースタイムを確認したり、登山中に現在地を確認したりできます。
特にソロ登山では、道に迷わないためにも、スマホで地図を確認できる状態にしておくことが大切です。
登山アプリはいくつかありますが、初心者が最初に使うなら、まずはYAMAPかヤマレコを検討するとよいです。
どちらも登山地図や現在地確認、登山計画、活動記録などに使える定番の登山アプリです。
ここでは、初登山前に準備しておきたい登山アプリと、紙地図の考え方を紹介します。
おすすめ登山アプリ①:YAMAP
登山初心者が最初に使うアプリとして、まず候補にしたいのがYAMAPです。
YAMAPは、登山地図の確認、現在地の確認、活動記録、ほかの登山者の記録確認などに使える登山アプリです。
事前に地図をダウンロードしておけば、電波が届きにくい山の中でもGPSで現在地を確認できます。
初めての登山では、まず登る予定の山をYAMAPで検索し、ルートやコースタイムを確認しておくと安心です。
また、実際に歩いた記録を残せるので、登山後に「どれくらい歩いたか」「どこで時間がかかったか」を振り返ることもできます。
基本機能は無料で使えますが、より多くの機能を使いたい場合は有料のYAMAPプレミアムもあります。
執筆時点では、YAMAPプレミアムは年割プランが年額5,700円、月額プランが月額780円と案内されています。
初めての登山では、まず無料で使える範囲から試してみて、必要に応じて有料プランを検討すればよいでしょう。
おすすめ登山アプリ②:ヤマレコ
YAMAPとあわせて候補にしたいのが、ヤマレコです。
ヤマレコも、登山計画の作成、登山中の地図確認、GPSによる現在地確認、登山後の記録作成などに使える登山アプリです。
事前に地図をダウンロードしておけば、携帯電話の電波が届かない山の中でも現在地を確認できます。
また、予定ルートを入れておくと、現在の歩行ペースをもとに到着時刻を確認できる機能もあります。
ヤマレコは、登山計画や記録をしっかり管理したい人に向いています。
無料でも多くの機能を使えますが、無料プランでは同時に保存できる地図の数に制限があります。
執筆時点では、プレミアムプランは月額780円、年額4,900円からと案内されています。
YAMAPとヤマレコのどちらを使うか迷う場合は、実際に両方を触ってみて、画面の見やすさや計画の立てやすさで選ぶのもよいです。
その他の登山アプリ
YAMAPやヤマレコ以外にも、登山で使えるアプリはあります。
たとえば、ヤマチズは「山と高原地図」系の登山地図サービスです。
紙の登山地図に近い感覚で、山域ごとの地図を確認したい人に向いています。
執筆時点では、ヤマチズのサブスクリプション版は月額500円、年額4,800円で、全エリアの地図を利用できるプランとして案内されています。
また、必要なエリアだけを購入する買い切り版は、1エリア800円と案内されています。
ジオグラフィカは、GPSやオフライン地図を重視する人向けの登山用GPSアプリです。
アプリ自体は無料で使えますが、一部機能には制限があり、機能制限の解除は買い切り課金で行う形です。
執筆時点では、Google Play上で960円の1回課金と案内されています。
一応アプリの紹介はしましたが、初めての登山では複数のアプリを使い分ける必要はありません。
まずはYAMAPかヤマレコのどちらかを使い、ルート、コースタイム、現在地を確認できる状態にしておくことを優先しましょう。
紙地図も用意しておくと安心
登山アプリは便利ですが、スマホだけに頼りきるのは危険です。
山の中では、スマホの電池が切れることもあります。
落として壊れる可能性もあります。
そのため、登山では紙の地図を用意しておくと安心です。
ただし、必ずしも市販の紙地図を買わなければいけないわけではありません。
YAMAPやヤマレコでは、Web版から地図を印刷することもできます。
登る予定のルート周辺だけでも印刷しておけば、スマホが使えなくなったときの備えになります。
登山アプリは便利な道具ですが、アプリだけに頼りすぎず、紙地図も含めて準備しておきましょう。
登山装備の準備
初めて登山に行く前に、必要な装備をひと通り確認しておきましょう。
登山装備は調べ始めると種類が多く、最初からすべてを完璧にそろえようとすると大変です。
このStep0では、まず「何が必要なのか」を把握することを優先します。
まずは登山に必要な持ち物を一覧で確認する
初登山前に大切なのは、必要な持ち物の全体像を知ることです。
登山では、飲み物や行動食、防寒着、雨具、地図、モバイルバッテリーなど、街歩きとは違う準備が必要になります。
ただし、最初から高価な道具をすべて買う必要はありません。
まずは持ち物一覧を確認し、自分がすでに持っているもの、買い足す必要があるもの、レンタルや代用品で対応できるものを分けて考えると準備しやすくなります。
Step1以降の登山に進む前にも、持ち物に不足がないか見直しておきましょう。
日帰り登山に必要な持ち物リストは以下の記事にまとめています。
登山靴・ザック・レインウェアは優先して準備したい
登山装備の中でも、最初に優先して考えたいのが、登山靴・ザック・レインウェアです。
登山靴は、不安定な山道で転倒・滑落・怪我を防ぐために必須の装備です。
ザックは、日常使いのものと異なり通気性を確保しているものも多く快適な登山に必須の装備。
レインウェアは、雨・風・寒さなど、いざというときの危険から身を守るために必須の装備です。
もちろん、最初から高価格帯のものをそろえる必要はありません。
ただ、登山を趣味として続けたいなら、この3つは早めに自分に合うものを準備しておくと安心です。
詳しい選び方やおすすめは、以下の記事で解説しています。
遭難対策・登山保険の検討
登山では、どれだけ気をつけていても、ケガや道迷い、体調不良などのリスクをゼロにはできません。
特に一人で登る場合は、万が一のときに自分だけで対応しなければならない場面もあります。
そのため、初登山前に遭難対策サービスや登山保険についても、一度確認しておくと安心です。
ここでは、登山初心者におすすめの遭難対策サービスと登山保険を紹介します。
初心者におすすめの遭難対策サービス
遭難対策サービスは、山で道に迷ったり、動けなくなったりしたときに備えるためのサービスです。
登山保険とは少し役割が違います。
登山保険は、ケガや捜索救助費用などの補償を受けるためのものです。
一方で、遭難対策サービスは、遭難時の早期発見や捜索救助費用への備えを目的にしたものです。
初心者がまず知っておきたい代表例として、ココヘリとjROがあります。
ココヘリ
ココヘリは、専用発信機を使って遭難時の早期発見を目指す山岳捜索サービスです。
山の中で動けなくなったり、居場所が分からなくなったりした場合に、発信機の電波をもとに捜索の手がかりを得られるのが特徴です。
特にソロ登山では、自分の位置を誰かに伝えられない状況になる可能性があります。
そのため、一人で登る機会が多い人は、ココヘリを検討しておくと安心です。
2026年4月時点では、ココヘリのベーシックプランは年会費6,600円、GPS+プランは年会費13,200円、SUMMITプランは年会費18,700円と案内されています。
まず検討するなら、ベーシックプランからでよいと思います。
jRO
jROは、日本山岳救助機構が運営する山岳遭難対策制度です。
山岳遭難時の捜索救助費用に備えるための制度で、登山保険に近い感覚で検討できます。
ココヘリのように専用発信機で位置を探すサービスとは少し違います。
2026年4月時点では、jROは年会費2,200円で、年間550万円までの捜索を実施すると案内されています。
登山を継続的に楽しみたい人や、今後も山に行く回数が増えそうな人は、選択肢の一つとして知っておくとよいです。
初心者におすすめの登山保険
登山保険は、登山中のケガや救援者費用、遭難捜索費用などに備えるための保険です。
日帰り登山でも、転倒や滑落、道迷いなどのリスクはあります。
初めての登山では、いきなり年間契約の保険に入る必要はありません。
まずは、1回の登山ごとに入れる短期型の保険や、アプリと連動した保険から検討すると分かりやすいです。
モンベル 野あそび保険・山行保険
モンベルのアウトドア保険には、日帰りや短期間の登山で使いやすい短期補償タイプがあります。
軽いハイキングや一般的なアウトドア向けには「野あそび保険」、山岳登はん行程を含む登山には「山行保険」が用意されています。
初めての低山・日帰り登山であれば、まずは野あそび保険を候補にしてください。
2026年4月時点では、モンベルの短期補償タイプは日帰りから7日間まで加入でき、保険料250円からと案内されています。
また、山行保険の短期タイプでは、1泊2日までのプランで1,000円または2,000円の保険料が案内されています。
実際に加入する場合は、登る山や行程に合う保険かどうか、公式サイトで補償範囲を確認しておきましょう。
YAMAP 山歩保険
YAMAPを使って登山する人は、YAMAPの山歩保険もおすすめの候補になります。
山歩保険は、YAMAPアプリと連動する登山向けの保険です。
登山中の遭難捜索費用やケガの費用に備えられる保険として案内されています。
特徴は、基本保険料に加えて、YAMAPアプリを使って歩いた距離に応じて追加保険料が決まる点です。
執筆時点では、基本保険料は2,800円で、歩行距離に応じて追加保険料がかかる仕組みと案内されています。
YAMAPをメインの登山アプリとして使う予定の人は、あわせて確認しておくとよいでしょう。
やまきふ ワンタイム保険
やまきふ ワンタイム保険は、日帰り登山から数日間の山行まで、1回ごとに加入しやすい短期型の登山保険です。
初めての登山で、まずは1回だけ保険に入っておきたい人にはおすすめの選択肢です。
登山中のケガ、第三者への賠償事故、遭難時の救援者費用などに備えられます。
2026年4月時点では、日帰り660円、1泊2日990円、3泊4日まで1,600円と案内されています。
当日の移動中や登山口まで申し込み可能とされていますが、日ごとの会員数に上限があるため、できれば早めに申し込んでおくと安心です。
遭難対策サービス・登山保険は必須ではないが・・・
遭難対策サービスや登山保険は、初登山で必ず入らなければいけないものではありません。
保険に入っていないと登山をしてはいけない、というわけでもありません。
ただし、登山では、ケガや道迷い、体調不良、遭難などのリスクがあります。
特にソロ登山では、トラブルが起きたときに周囲へ助けを求めにくい場面もあります。
そのため、最初からすべてに入る必要はありませんが、登山を趣味として続けたい人は、早い段階で一度検討しておくと安心です。
まずは、日帰り登山ごとに短期型の保険を使う。
YAMAPを使うなら山歩保険を確認する。
本格的に登山を始める気になったらココヘリやjROも検討する。
このように、自分の登山スタイルに合わせて、少しずつ安全対策を厚くしていきましょう。
山のルール・マナーを知る
登山を始める前に、山の基本的なルールやマナーも知っておきましょう。
登山道は、多くの人が同じ道を使います。
自分だけが気持ちよく歩ければよい、という場所ではありません。
難しく考えすぎる必要はありませんが、譲り合い、ごみの持ち帰り、すれ違い時のあいさつなど、最低限のマナーを知っておくと安心です。
登山道では譲り合いを意識する
登山道では、すれ違いや追い越しの場面で譲り合いが必要になります。
基本的には、登っている人を優先するのが一般的です。
登りの人はペースを崩すと再び歩き出すのが大変ですし、下っている人の方が前方に気づきやすいこともあります。
ただし、「必ず登りが優先」と考えすぎる必要はありません。
登り側に安全に待てる場所がある場合や、下り側が狭くて止まりにくい場合などは、状況に応じて譲り合うことが大切です。
狭い場所ですれ違うときは、無理に進まず安全な場所で立ち止まります。
相手に道を譲るときは、「どうぞ」「先に行ってください」と声をかけると、お互いに安心してすれ違えます。
登山道では、ルールを丸暗記するよりも、安全に通れるかを優先して判断しましょう。
ごみを出さない・飲み物を捨てない
山では、自分で出したごみは必ず持ち帰ります。
お菓子の袋、ペットボトル、ティッシュ、行動食の包み紙など、小さなごみでも山に残してはいけません。
休憩中に出たごみを入れられるように、あらかじめ小さなごみ袋を持っていくと便利です。
また、飲み物を登山道や山頂で捨てるのも避けましょう。
水やお茶ならよさそうに見えるかもしれませんが、山の環境に余計なものを持ち込まないことが基本です。
飲み切れなかった飲み物も、基本的には持ち帰るようにします。
初めての登山では、「山に持ってきたものは、山に残さず持ち帰る」と覚えておきましょう。
すれ違い時にあいさつをする
登山道ですれ違うときは、「おはようございます」「こんにちは」とあいさつをすることがよくあります。
高尾山や筑波山のように観光地としての色が強い山では、あいさつをしない人も多いかもしれません。
一方で、登山目的の人が多い山では、すれ違うたびにあいさつを交わすことも珍しくありません。
初めて登山をする人は、少し驚くかもしれません。
あいさつには、気持ちよく山を歩くための意味があります。
それだけでなく、万が一のときに「どこで誰とすれ違ったか」を思い出す手がかりになることもあります。
ただし、混雑している山や、相手が息を切らしている場面で、必ず大きな声であいさつしなければいけないわけではありません。
軽く会釈するだけでも十分です。
無理のない範囲で、気持ちよく声をかけるくらいに考えておきましょう。
最低限の体力づくり
初めて登山をする前に、本格的なトレーニングをする必要はありません。
登山では、速く歩くことよりも、自分のペースで無理なく歩くことが大切です。
ただし、普段あまり歩かない人は、いきなり山に行くと想像以上に疲れることがあります。
初登山前は、最低限「歩くこと」に体を慣らしておくと安心です。
登山では自分のペースで歩くことが重要
登山前のトレーニングは必須ではありませんが、「無理をしないペースで歩く」ことは必ず意識しておきたいポイントです。
最初からペースを上げすぎると途中で疲れてしまったり、下山時に足があがらなくなったりします。
特に初心者のうちは、少し遅いと感じるくらいのペースで歩く方が安全です。
息が上がりすぎないか。
会話できるくらいの余裕があるか。
休憩を入れながら最後まで歩けそうか。
こうした感覚を大切にしながら、自分のペースで進みましょう。
普段あまり歩かない人は運動しておく
普段から通勤や外出で歩いている人であれば、初めての低山登山で特別なトレーニングをする必要はあまりありません。
一方で、在宅勤務が多い人や休日もあまり外に出ない人は、初登山前に少し歩く習慣をつけておくと安心です。
まずは、平日に20〜30分歩く。
駅では階段を使う。
休日に1時間ほど散歩してみる。
このくらいでも、まったく歩かない状態よりは登山に入りやすくなります。
ちなみに必須ではありませんが、体重を標準体重かそれ以下に近づけておくと、登山がぐっと快適になります。
ただし、無理な減量をする必要はありません。
登山をすることが減量につながることも少なくありません。
まとめ
Step0では、初登山前に準備しておきたいことを整理しました。
登山は、思い立ったその日に何も準備せず行くにはリスクがあります。
まずは登山アプリと地図を用意し、必要な装備を確認し、遭難対策や登山保険についても一度考えておくことが大切です。
あわせて、山のルールやマナー、最低限の体力づくりも確認しておくと、初めての登山に進みやすくなります。

ただし、最初からすべてを完璧にそろえる必要はありません。
Step1以降の登山に進む前のチェックにも使える準備ステップです。
初めての登山、基本を身につける日帰り登山、初めての高山、富士登山、自分で山を選ぶ練習へと進む中で、必要なものや不安に感じることは少しずつ変わっていきます。
そのたびにこの記事に戻り、装備や安全対策、体力面を見直していけば大丈夫です。
まずは最低限の準備を整えて、Step1の「初めての登山に挑戦する」へ進みましょう。

