登山 脱初心者ロードマップのStep1では、実際に初めての登山に挑戦します。
Step0で登山アプリや装備、山のルール・マナーなどを確認したら、次はいよいよ山に登る段階です。
とはいえ、最初から難しい山に挑戦する必要はありません。

Step1の目的は、高い山に登ることでも長い距離を歩くことでもなく、まずは自力で山登りを達成することです。
自分で準備し、自分で歩き、安全に下山する。
この経験ができれば、登山を趣味にしていくための大きな一歩になります。
このページでは、初めての登山におすすめの山、準備するもの、登山計画の立て方、当日に意識したいことを整理します。
まずは無理のない山を選び、安心して最初の登山に挑戦してみましょう。
このページでわかること
- 登山 脱初心者ステップ1の目的
- 初めての登山におすすめの山
- 初登山で準備しておきたい装備
- 登山計画の立て方
- 初登山までのスケジュール
- 初めての登山で意識したいこと
登山 脱初心者のロードマップの全体像は以下の記事で解説しています。
登山 脱初心者ステップ1の目的
Step1の目的は、まず自力で山登りを達成することです。
初めての登山では、難しい山に登る必要はありません。
大切なのは、自分で準備し、登山口まで行き、自分の足で歩き、安全に下山することです。
実際に登ってみると、登山道の歩き方、休憩の取り方、自分の体力、荷物の重さ、靴やザックの使い心地など、事前に調べただけでは分からないことが見えてきます。
実際に登山をしていてもやや難易度の高い山に、初心者と思われる軽装備の方が居てとても辛そうにしているのを見かけることがあります。
その人は無事に帰れたかもしれませんが、登山を楽しめたかどうかは疑問です。
最初の登山は、登山の上手さを試す場ではありません。
これから登山を趣味として続けていくために、自分にとっての基準を知るための場です。
まずは無理のない山を選び、「自分で登って、自分で帰ってこられた」という経験を積むことを目指しましょう。
初めての登山の山選び
初めての登山では、アクセスしやすく、登山道が整備されていて無理なく日帰りできる山を選ぶことが大切です。
いきなり標高の高い山やコースタイムの長い山に挑戦する必要はありません。
そのため、関東在住の方で初めて登山に挑戦するなら、やはり高尾山がおすすめです。
「高尾山?ただの観光地でしょ?」
そう思った方もご安心ください。
登山を経験するために適したルートをご紹介します。
「それでも高尾山以外がいい!」
そんな方にもおすすめの山をご紹介します。
初めての登山では高尾山がおすすめ
高尾山は、東京都八王子市にある標高599mの山です。
都心からアクセスしやすく、登山道も複数整備されているため、初めての登山におすすめの山です。
ケーブルカーやリフトもあるので、体力や当日の状況に合わせて調整しやすい点も安心です。
ただし、今回は「登山 脱初心者ステップ1」として、自力で山登りを達成することを目的にしたいので、ケーブルカーを使わずに歩いて登るルートをおすすめします。
具体的には、登りは6号路、下りは4号路がおすすめです。
6号路は、沢沿いを歩けるコースで、琵琶滝や飛び石を渡る場所があります。
全長は3.3kmで、登りの標準タイムは1時間40分となっています。
舗装路中心の1号路に比べると、山道を歩いている感覚を得られるため、初めての登山で「山の歩き方」を知るにはちょうどよいコースです。
4号路は、ブナやカエデなどの落葉広葉樹の森を抜けるコースで、吊り橋がある人気のコースでもあります。
全長は1.5kmで、下りの標準タイムは35分となっています。
6号路で登り4号路で下ると、沢沿いの道と森の道をどちらも経験できます。
初めての登山で、登り・下りの違いや山道の歩き方を知るにはよい組み合わせです。
ただし、どんな山でも何らかの理由で登山道が通行止めになることがあります。
実際に行く前には、高尾ビジターセンターなどの公式情報や、YAMAPなどの山行記録などから、最新の通行状況を確認しておきましょう。
高尾山以外の初登山におすすめの山
高尾山が初登山に向いているとはいえ、すでに登ったことがある人や、住んでいる場所によってはアクセスしにくい人もいると思います。
そんな方におすすめなのが、陣馬山や筑波山です。
陣馬山|高尾山で物足りない人向け
陣馬山は、神奈川県相模原市にある標高855mの山です。
陣馬山は東京都と神奈川県の都県境にあり、360度の眺望が楽しめる山です。
山頂は開けていて、天気がよければ富士山や丹沢方面の眺望も楽しめます。
高尾山では少し物足りない人や、もう少し登山らしい登りを経験したい人におすすめです。
一方で、初めての登山としては高尾山より長く歩くことになりやすいので、体力に不安がある人は無理に選ばないようにしましょう。
筑波山|高尾山へのアクセスが悪い人向け
筑波山は、茨城県つくば市にある標高877mの山です。
男体山と女体山の2つの峰を持つ山で、女体山の標高は877m、男体山の標高は871m。
日本百名山にも数えられており、ケーブルカーやロープウェイも整備されているため、登山初心者でも山頂を目指しやすい山となっています。
東京西側から高尾山へ行きやすい人には高尾山がおすすめですが、茨城方面や千葉・埼玉方面からアクセスしやすい人は、筑波山も初登山の候補になります。
ただし、筑波山は観光地として人気があり、行楽シーズンには渋滞や混雑が発生することがあります。
そのため時期に注意して、時間に余裕を持って計画しましょう。
初めての登山で準備するもの
初めての登山では、必要な持ち物を事前に確認しておくことが大切です。
この記事では、初登山時に最低限押さえておきたいポイントに絞って解説しますので、各装備の詳細やおすすめの商品についてはリンク先の記事をご確認ください。
まずは登山に必要な持ち物を確認する
初登山では、飲み物、行動食、防寒着、雨具、地図、モバイルバッテリーなど、街歩きとは違う持ち物が必要になります。
山登りで覚えておきたいのは、「足りなくなっても途中で買えない」ということです。
山の中では、コンビニや自販機が近くにあるとは限りません。
水分や行動食、防寒着、雨具などは、使わない可能性があっても持っておくことで安心につながります。
(この記事で紹介している高尾山や筑波山は山頂にお店も多いため、上記の山であれば万が一飲み物が足りなくなっても買い足すことはできます。ただし、ステップアップしていくためには買い足す前提にせず登ってほしいと思っています)
まずは必要な持ち物を確認し、自分が持っているもの、買い足すもの、代用できるものを整理しておきましょう。
登山靴は必須
初めての登山で、登山靴は必ず用意しておきたい装備です。
高尾山のような初心者向けの山でも、登山道には土の道、石、木の根、濡れた場所、段差などがあります。
普段履きのスニーカーでも歩ける場面はありますが、滑りやすさや足首の安定感、長く歩いたときの疲れやすさを考えると、登山靴は必ず用意してください。
特に、初登山では自分の体力や歩き方がまだ分かりません。
足元の不安を減らすためにも、最初の一足はきちんと選んでおきたいところです。
登山靴の選び方や初心者向けのおすすめは、登山靴の記事で詳しく解説しています。
登山靴のブランドをまとめた記事はこちらです。
ザックとレインウェアも用意しておきたい
登山靴に加えて、ザックとレインウェアもできれば用意しておきたい装備です。
ザックは、飲み物や行動食、防寒着、雨具など多くなりがちな荷物を快適に背負って歩くために必要です。
普段使いのリュックでも代用できる場合はありますが、登山用ザックは背負いやすさや荷物の安定感が違います。
長く歩くほど、背負いやすさの差は疲れ方に出やすくなります。
レインウェアは、雨が降ったときだけでなく、風や寒さへの備えとしても役立ちます。
山の天気は変わりやすく、出発時に晴れていても途中で雨が降ることがあります。
初めての登山では天気の悪い日を避けることが前提ですが、それでも最低限の雨対策はしておいた方が安心です。
ザックやレインウェアの選び方は、それぞれの記事で詳しく解説しています。
初登山の計画の立て方
初めての登山では、山を決めたら必ず登山計画を立てましょう。
「なんとなく行って、登れそうなところまで登る」ではなく、どのルートを歩くのか、どれくらい時間がかかるのか、何時までに下山するのかを事前に確認しておくことは絶対に必要です。
特に初登山では、自分の歩くペースがまだ分かりません。
余裕を持った計画にして、実際に歩いた結果を次の登山に活かしていきましょう。
登山アプリで登山計画を作成
登山計画は、YAMAPやヤマレコなどの登山アプリを使って作成できます。
登る山を選び、おすすめのルートをもとに歩くルートを設定すると、標準的なコースタイムをもとに所要時間を把握できます。
初登山では、自分が標準より速いのか遅いのか分からないと思います。
そのため、最初は標準ペースで計画を作り、そのうえで下山時間に余裕を持たせるのがおすすめです。
実際に登ってみると、「標準ペースより遅かった」「思ったより余裕があった」など、自分のペースが少しずつ分かってきます。
その結果をもとに、次回以降は標準より遅めに計画するのか、標準ペースで問題ないのかを判断しやすくなります。
また、計画を立てるときは、歩く時間だけでなく休憩時間も入れておきましょう。
山頂で昼食をとる時間、途中で水分補給する時間、写真を撮る時間などを考えずに計画すると、実際の下山時間が遅くなりやすいです。
初登山では、少し余りすぎるくらいの計画でちょうどよいです。
アクセスと下山時間を事前に確認する
登山計画では、山の中を歩く時間だけでなく、登山口までのアクセスと帰りの時間も確認しておきましょう。
電車やバスで行く場合は、登山口に着く時間だけでなく、帰りのバスや電車の時間も見ておく必要があります。
特にバスの本数が少ない山では、下山が遅れると長時間待つことになったり、最終便に間に合わなくなったりすることもあります。
また、下山時間はかなり重要です。
登山では、遅くても15時までに下山する計画を立てるのが基本です。
山の中は日が傾くと暗くなるのが早く、疲れが出る下山時ほど転倒や道迷いのリスクも高くなります。
ただし、初登山の場合は、さらに余裕を持って12時〜13時ごろまでに下山できる計画が望ましいです。
最初の登山では、体力や歩くペース、休憩の取り方がまだ分かりません。
午前中から登り始め、昼過ぎには下山できるくらいの計画にしておくと、トラブルがあった場合にも対応しやすくなります。
初登山では、物足りないくらいの計画で問題ありません。
まずは安全に登って、安全に帰ってくることを優先しましょう。

初登山までのスケジュール
初めての登山は思い立った日に行くのではなく、準備期間を取ってから行くべきです。
ただし、厳密に「何日前から準備すべき」という決まりはありません。
登山靴などの装備を実店舗で確認し、登る山を決め、登山計画を立て、天気の良い日を待つことを考えると、最短でも2週間後くらいを目安にすると進めやすいです。
2週間後の週末に行ける状態を作っておき、実際に行くかどうかは天気を見て判断する。
このくらいの余裕を持っておくと、初登山でも焦らず準備できます。
必要な装備を準備する
まずは、登山に必要な装備を準備します。
特に登山靴はサイズ感が重要なので、できれば実店舗で試し履きして選ぶのがおすすめです。
ザックやレインウェアも、店頭で実物を見ておくとイメージしやすくなります。
仕事や学校がある人なら、平日に情報収集をして、週末にアウトドアショップへ行く流れが現実的です。
ネットで買えるものは後から購入してもよいですが、登山靴のように合う・合わないが大きいものは、最初は慎重に選びましょう。
もちろん実店舗で合わせてみて、より安い値段で買えるのであればネットで買う、という方法も問題ありません。
装備の準備だけでも、1週間ほど見ておくと安心です。
計画を立てる
装備の準備と並行して、登る山やルートを決めていきます。
登山アプリでルートやコースタイムを確認する。
登山口までのアクセスを調べる。
下山予定時刻を決める。
こうした準備は、日中の隙間時間でも少しずつ進められます。
装備をそろえながら数日かけて計画を立てれば、次の週末には登山に行ける状態に近づきます。
天気の良い日を待つ
装備と計画が整ったら、あとは天気の良い日を待ちます。
初めての登山では、無理に予定日に行く必要はありません。
雨の日や風が強い日、気温が低すぎる日、天気が不安定な日は避けた方が安心です。
「2週間後の週末に行く」と決めて準備しても、その日に天気が悪ければ翌週に延期しましょう。
登山では、予定どおり行くことよりも、安全に楽しめる日に行くことの方が大切です。
最初の登山は、晴れまたは天気が安定している日を選びましょう。
天気の良い日に行くことで、山の景色や歩く楽しさも感じやすくなりますよ。
初めての登山で意識したいこと
初めての登山では、無事に山頂まで行くことよりも、安全に下山することを優先しましょう。
登山は、登って終わりではありません。
山頂に着いたあとも、自分の足で下山する必要があります。
特に初登山では、自分の体力や歩くペース、足の疲れ方がまだ分かりません。
少し慎重すぎるくらいの意識で進める方が安心です。
速く歩くよりも安全に帰ることを優先
初めての登山では、速く歩く必要はありません。
平地での歩くペースでは早すぎます。「のろのろしすぎているな」くらいがベストです。
コースタイムより早く歩くことや、周りの人についていくことを目標にしなくて大丈夫です。
大切なのは、最後まで安全に歩いて帰ってくることです。
登山では、登りよりも下りで疲れが出ることがあります。
山頂に着いた時点で体力を使い切ってしまうと、下山中に足が上がらなくなったり、転びやすくなったりします。
最初の登山では、物足りないくらいで終えるのがちょうどいいです。
「まだ少し余裕がある」と感じるくらいで下山できれば、次の登山にもつなげやすくなります。
疲れる前提でペースを落とす
登山では、最初からペースを上げすぎないことが大切です。
登り始めは気分も上がりやすく、つい速く歩いてしまいます。
ただ、序盤で頑張りすぎると、後半や下山時に一気に疲れが出ることがあります。
初めての登山では、「疲れないように歩く」のではなく、「疲れる前提でゆっくり歩く」くらいがちょうどいいです。
息が上がりすぎないペースで歩く。
こまめに休憩する。
飲み物は一気に飲むのではなく、少しずつこまめに飲む。
行動食も、空腹になってからではなく、早めに少しずつ食べる。
このあたりを意識して登るようにしましょう。
私自身も、初めての登山でペースを上げすぎて失敗した経験があります。
初登山では、速さよりも余裕を残すことを意識しましょう。
途中で不安を感じたら引き返してもよい
初めての登山では、脚やひざに違和感が出たら無理をしないことが大切です。
少し痛いけれど、せっかく来たから進もう。
山頂まであと少しだから我慢しよう。
そう考えたくなる場面もあると思います。
ただ、登山では登った分だけ下りもあります。
登っている途中で脚やひざに違和感があるなら、下山時にはさらに負担が大きくなる可能性があります。
特にひざの痛みは、下りで悪化しやすいです。
違和感があるときは、早めに休憩する。
ストレッチや靴ひもの調整をする。
それでも不安が残るなら、無理せず引き返す。
初登山では、山頂に着くことよりも、ケガなく帰ることの方が大切です。
私自身も、ひざに違和感があるのに予定どおり進んで後悔した経験があります。
少しでも不安があるときは、「今日はここまで」と判断することも、登山を続けるために必要な力です。
まとめ
Step1では、初めての登山に挑戦するための考え方を整理しました。
このステップの目的は、難しい山に登ることではありません。
まずは自分で準備し、自分の足で登り、安全に下山することです。

初めての登山では、高尾山のようにアクセスしやすく、登山道が整備された山を選ぶと安心です。
必要な持ち物を確認し、登山靴・ザック・レインウェアなどの基本装備を準備したうえで、登山アプリを使って計画を立てておきましょう。
また、当日は速く歩くことよりも、安全に帰ることを優先します。
疲れる前提でペースを落とし、飲み物や行動食をこまめに取り、脚やひざに違和感があれば無理せず引き返す判断も大切です。
Step1を終えると、山の歩き方、自分の体力、装備の使い心地など、実際に登ってみないと分からないことが見えてきます。
ここで得た感覚が、次のStep2「基本を身につけるための日帰り登山」に進むための土台になります。
まずは初登山を無事に終えることを目標に、無理のない山から一歩踏み出してみましょう。

